絵と言葉

私の絵画や言葉を公開しています。

喪失の射光

ふいに訪れた不都合な希望へ挨拶がわりに牙を剥く
未知なる場所でつもり積もった約束を果たそう
数え忘れた時など無いし
新たになぞることだって覚えた
気まぐれに調子に乗って
砕かれぬ意志を持って
とてもじゃないが羽ばたけない風にも応じてやろう
見なくていいさ 傍にいてくれ
それでも本当は知っている
永遠にも似た最後の応援なんだろう
泳ぎ切ることを知らない 駆け抜ける魚の果てよ

 

とてつもなく愚かな勘違いに呑まれている可能性の中で 何故に 再び耳を澄ますのか

釈明不要の単純な価値は美しい夢によく似ていた
扉を開けようとすることに恐らく理由はほとんど無い
掘り出される保証など持たない希望を求め
歪んだ道で真っ直ぐな賭けを試す
弾き出されたよくある答えは尊さのために狂わされるべきだろう
気のせいだと言い聞かせれば楽だった
とてつもなく愚かな勘違いに呑まれている可能性の中で
何故に 再び耳を澄ますのか
過剰に保護した気持ちの殻が溶けていく
神経質に晴れ渡る夜空はとても広い

 

頭打ちな景色を蹴破る鍵を手に入れればそこには動脈が流れている

あの心が好むであろう有り様は脇目も振らずにしつこく甦る
背けたくなるほど見つめ続ける選択は間違っていない
力の基なら自ら作れば良い
巡り合わせの隙間から降り注ぐ生ける影も開始を手伝う
劇的な何かが無ければこのまま変わらない
頭打ちな景色を蹴破る鍵を手に入れればそこには動脈が流れている
躊躇いの雨ならとっくに鼻で笑ってやった

 

無意識に頑なを守る点滅も正面から見つめてみようか

あらかじめ提供された嘆きを地の奥底まで流しきり
カラスの羽のような余波をもぎ取っては
何が意味かなど知らないと古い波を無視して突っ切る
無意識に頑なを守る点滅も正面から見つめてみようか
聞き飽きたことなんて何一つない
自分勝手で都合の良い変革を今すぐ欲する今日
待ち続ける三昼夜など絞め殺してやる

 

憂鬱を取り入れた真の意欲が大いなる明日を切り拓いていく。 ――抽象的な絵画「諦めを呑む願い」と流れ行く言葉――

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社会という現実の最中で人々は嫌でも落胆を集め、
とめどない渦のような不条理の前であらゆる主張が意味を失う。
何者かの都合で簡単に形を変えていく正当性は
果たして何者を救うのか。
つつかれた日々の裏側に潜む真実から目をそらし
地面と同化した精神は二度と空を見上げようとはしない。
ひどく饒舌な断念にそそのかされる一方で、
分解された胸の内の端々から魂を叩く音が聞こえる。
その音の根源は、
人間として人間らしく生きたいと願う、
ほとんど夢のような望みであり、
もっとも重要な一筋の力である。
病としてバランスを崩した要因を含む
社会の不条理さにうなだれるその前に
自らの願いの声を聞いてみないか。
個人の力を放棄し他人へ変化を期待するのではなく
己が変化を起こすのだ。
そのためには無意味な眠りに身をあずけ続けてはならない。
休息を経た覚醒の後ですぐさま行動に移るべきである。
なおかつ失意を隅々まで忘れる必要性も無い。
悲観的な状況をふまえたうえで好転の技を模索すればいい。
大望は悔しさを徐々に覆い、願いは諦めを呑みこんでいく。
社会という現実の最中で人々は嫌でも落胆を集め、
とめどない渦のような不条理の前であらゆる主張が意味を失う。
気付いてしまった瞬間から諦めは始まり
諦めた瞬間から未来は始まるのだ。
憂鬱を取り入れた真の意欲が大いなる明日を切り拓いていく。

 

 

 

 

天井知らずの優雅な馬鹿ども

夜に焦がれて何度も気付く、ここが全ての着地点であるという躍動の事実を
こんなもので精神が浮かび上がると思ったら大間違いだぞと囁く声が聞こえるか
非常に味わった後で手を振る影が景色の外側で刻々と満ちる
見せつけるように届けてやればいい
叫びは尊い

永遠が語り始めたさりげない番狂わせの動機

明確な荷物を背負ったまま何ひとつ信じずに空気の果てを見つめる青い意思
黙りこくった根性は日々を突っ切る時間を貫く
嘆きもせずにただそれだけ
束ねた出口の行方を物言わぬ空に尋ねよう
ひとつずつ丁寧に巻き返して
完成すればもう一度始まる
見間違えた風の箱なら何度でも消えた
永遠が語り始めたさりげない番狂わせの動機